本日のコラムでは、営利目的の覚醒剤所持で逮捕された薬物事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
Aさんはかつて仙台市内でバーを経営していましたが、3年ほど前にバーを閉店してからは、バーの客から紹介されて、覚醒剤の密売人をして生計を立てています。
Aさんは、SNSで客から注文を受け、指定した場所で現金と引き換えに覚醒剤を手渡す方法で覚醒剤を密売しており、密売する覚醒剤はバーの客から紹介された人物から仕入れています。
そんな中、Aさんが覚醒剤を密売した若者が覚醒剤使用の容疑で仙台市内で逮捕されたという噂を耳にしました。
Aさんは、自身にも捜査の手が及ぶかもしれないと不安でなりません。
(フィクションです。)
覚醒剤取締法
覚醒剤取締法で禁止している覚醒剤の所持には
①単純(非営利目的)
②営利目的
の2種類があります。
①単純(非営利目的)
覚醒剤を単純(非営利目的)所持すれば「10年以下の懲役」が科せられるおそれがあります。
初犯であれば、執行猶予付きの判決となるのがほとんどですが、再犯の場合は実刑判決となる可能性が高くなります。
②営利目的
覚醒剤の所持に営利目的が認められると「1年以上の有期懲役(情状により500万円以下の罰金)」が科せられるおそれがあります。
単純(非営利目的)所持とは異なり、非常に重い罰則が規定されており、初犯であっても長期実刑の可能性のある非常に厳しい犯罪です。
営利目的とは
営利目的とは、覚醒剤を所持する動機、目的が、覚醒剤を販売、譲渡することで財産上の利益を得たり、第三者に得させるためであること、つまりAさんのように覚醒剤を密売するために所持していた場合は、営利目的となる可能性が非常に高いでしょう。
営利目的の判断基準は?
警察等の捜査機関は、様々な事情を考慮して、営利目的の所持だということを裏付けますが、その判断基準の一部を紹介します。
①所持する量
覚醒剤は、一回の使用量が約0.02グラムだといわれています。この量を大きく上回る場合は営利目的の所持が疑われます。
②覚醒剤以外の所持品
覚醒剤は2~3回分の量を、「パケ」と呼ばれるチャック付きのポリ袋に入れて密売されるケースが多いため、小分けするためのパケを大量に所持していたり、小分けする量を計る電子計り等を所持していた場合は、営利目的の所持が疑われます。
③密売事実
販売を裏付けるメモや、メールのやり取りが発覚したり、実際に購入者が捕まったりしている場合は、営利目的の所持が疑われます。
覚醒剤所持事件に強い弁護士
仙台市の薬物事件でお困りの方、ご家族、ご友人が覚醒剤の営利目的所持で警察に逮捕されてしまった方は、一刻も早く、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部の刑事事件に強い弁護士を選任する事をお勧めします。