特殊開錠用具所持禁止法違反事件で逮捕
特殊開錠用具所持禁止法違反事件で逮捕された場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,宮城県大崎市の路上で,幅2センチ,長さ24センチ以上の指定侵入工具であるバール1本をリュックサックの中に隠し持っていたところ,Aさんの挙動を不審に思った近隣住民により宮城県鳴子警察署に通報されてしまいました。
Aさんは,駆け付けた宮城県鳴子警察署の警察官により所持品検査を受け,その結果,Aさんは特殊開錠用具所持禁止法違反(ピッキング防止法)の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
(2021年5月9日に読売新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【特殊開錠用具所持禁止法違反の罪とは】
特殊開錠用具所持禁止法2条(定義)
この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
3号 指定侵入工具 ドライバー,バールその他の工具(特殊開錠用具に該当するものを除く。)であって,建物錠を破壊するため又は建物の出入口若しくは窓の戸を破るために用いられるもののうち,建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定めるものをいう。
特殊開錠用具所持禁止法施行令2条(指定侵入工具)
法第2条第3号の政令で定める工具は,次に掲げるものとする
2号 次のいずれにも該当するバール
イ 作用する部分のいずれかの幅が2センチメートル以上であること。
ロ 長さが24センチメートル以上であること。
特殊開錠用具所持禁止法4条(指定侵入工具の携帯の禁止)
何人も,業務その他正当な理由による場合を除いては,指定侵入工具を隠して携帯してはならない。
特殊開錠用具所持禁止法2条3号,4条では,工具であって,建造錠を破壊するため,又は,建物の出入口・窓の戸を破るために用いられるもののうち,建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定められるもの(指定侵入工具といいます。)の携帯を禁止しています。
そして,特殊開錠用具所持禁止法施行令2条2号では,バールについては,作用する部分のいずれかの幅が2センチメートル以上で,かつ,長さが24センチメートル以上であるものが,上記特殊開錠用具所持禁止法2条3号の「建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定められるもの」として定められています。
なお,特殊開錠用具所持禁止法4条の「隠して携帯」するとは,通常では人の視野から隠されており,人目に触れにくいような状態,かつ,直ちに使用し得るような支配状態におくことをいいます。
特殊開錠用具所持禁止法16条(罰則)
…第4条の規定に違反した者は,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
特殊開錠用具所持禁止法16条では,特殊開錠用具所持禁止法4条の指定侵入工具の携帯の禁止の規定に違反した者には,特殊開錠用具所持禁止法違反の罪が成立し,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられると規定されています。
【特殊開錠用具所持禁止法違反事件の刑事弁護活動】
特殊開錠用具所持禁止法違反事件での刑事弁護活動の代表的なものは,特殊開錠用具所持禁止法違反事件を捜査する検察官に対して,寛大な処分をするよう,意見書・報告書といった書面等を通して,特殊開錠用具所持禁止法違反事件の被疑者の方が真摯に反省していることや今後の再犯防止のために対策を取っていることを伝える検察官対応活動があります。
また,特殊開錠用具所持禁止法違反事件は被害者の方が存在しない刑事事件であるため,心よりの反省と贖罪の意を示すために,贖罪寄付という形で,弁護士会や慈善団体への寄付をし,その結果得られる贖罪寄付証明書を特殊開錠用具所持禁止法違反事件を捜査する検察官に対して提出するということも,寛大な処分を得るための刑事弁護活動として有効であると考えられます。
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