1.逮捕とは?
逮捕とは、最長72時間、身体を拘束する処分です。
通常は、警察で最長48時間、検察で最長24時間拘束することが可能です。
2.逮捕手続きにはどのようなものがありますか?
逮捕のされ方としては、全部で3種類あります。
(1)通常逮捕
逮捕状を示されたうえで逮捕される方式です。
警察官等が、事前に裁判官に資料を送り、資料を見た裁判官が逮捕しても構わないと考えた場合に、逮捕状が出されるという流れになります。
逮捕をされる際には、逮捕状というものを見せられて、逮捕されることとなります。
(2)現行犯逮捕
現行犯逮捕とは、逮捕状なく、その場で逮捕される場合を指します。
逮捕状なく逮捕ができると考えられている理由は、犯罪を行って間もなくに逮捕するので、逮捕される人物が犯人であることに間違いがなく、また、罪を犯したことも明白であるからと考えられています。
現行犯逮捕されると、逮捕状は示されることはありませんし、後で説明する緊急逮捕と異なり、逮捕の是非について裁判官が判断することもありません。
(3)緊急逮捕
緊急逮捕とは、一定の重い罪を犯した場合に、逮捕状を請求する時間がなかった場合に逮捕をすることができるものです。
緊急逮捕をした場合には、事後的に裁判官が本当に逮捕してよかったのか判断をします。
3.逮捕されたらどうなるのでしょうか?
逮捕されると、通常警察の留置場というところに入れられ、身体拘束されることとなります。
最長で72時間拘束され、この間に、警察や検察からの取調べを受けます。
逮捕を行う目的の一つとして、検察官が勾留請求をするかどうか判断するというものがあります。検察官が勾留請求をすると考えると、多くの場合認められますから、最初10日間、最長20日間身体拘束されることとなります。
4.逮捕に関してのQ&A
①警察官が自宅に来て連れていかれてしまいました。これは逮捕ですか?
逮捕状を示していれば、逮捕です。
逮捕状を示されていなければ、任意同行ということになります。
しかし、警察は逮捕状を持っていたとしても、いきなり逮捕をせず、最初は任意同行を求めるということがあります。そのため、任意同行だからといって、その後も逮捕されないとは限りません。
②警察から呼び出しがあったのですが、出頭しないと逮捕されますか?
直ちには逮捕されませんが、逮捕される可能性は上がります。
逮捕状による逮捕の場合は、本人の意思を問わず、強制的に身体を拘束できることから、呼び出しという形はとりません。
そのため、呼び出しという形をとっている以上は、すぐには逮捕しないという意図であると思われます。
しかし、出頭しないことが繰り返される場合には、逃亡のおそれなどがあるのではないかと疑われます。そのため、逮捕の可能性が上がるといえます。
警察からの出頭要請があった場合で、どうしても時間帯の都合がつかない場合などには、日時をずらしてもらえないか依頼することが無難といえます。
③いつから弁護士をつけられますか?
国選弁護人の場合には、
①被疑者段階でつけるためには、勾留される必要があります。
②被告人段階は、法律上は弁護士がいなければ開廷できない事件では必ず国選弁護人が選任されるという定めしかありませんが、実際は弁護人がいない事件ではできる限り選任されるようになっています。
反対から言うと、①逮捕されている段階②身柄拘束されていない事件で、まだが起訴されていない場合には、国選弁護人が付くことはありません。
私選弁護人は、警察に被害届等が出されていなくても、選任することが可能です。また、逮捕された段階や、身柄を拘束されていない事件でも選任することが可能です。
示談交渉や環境調整等、刑事弁護活動は時間があればあるほど、効果があります。なるべく早期から弁護人を選任することをお勧めします。
④夫が逮捕されてしまいました。事件のことが会社に伝わらないか心配です。
逮捕されたからといって、事件が会社に伝わることは基本的にはありません。例外的に、公務員や立場のある人の場合には、逮捕されたことがニュースになってしまいますので、結果的に伝わることとなります。
しかし、身体拘束が長期化すると、必然的に会社を休む期間が長くなってしまいますから、そのことによってばれてしまう可能性はあります。
⑤逮捕された場合、家族と連絡とれますか?
原則として取れません。
逮捕されていると、ご家族の方は面会することができません。また、本人が携帯電話を持っていても、中で使用することができないため、電話連絡もできません。
連絡を取るためには、弁護士を通してやり取りするほかありません。
⑥逮捕されると、必ず前科がついてしまいますか。
前科とは、有罪の判決を受けたことを指します。
逮捕されても、有罪の判決を受けたわけではありませんので、それだけでは前科になりません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部では、刑事事件を専門的に取り扱う弁護士が、直接、無料法律相談を行います。
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