下着泥棒の逮捕と示談2
~前回からの続き~
宮城県加美町在住の30代会社員Aさんは、酒に酔った状態で帰宅中、通りがかった家の軒先に干されていた女性用下着を見つけました。
性的興奮を覚えたAさんは、酔って気が大きくなっていたため、塀を乗り越えて庭に立ち入り、下着数点を持ち去りました。
翌日下着が無くなっていることに気付いた被害女性のVさんは、宮城県加美警察署に被害届を提出しました。
警察が近辺の防犯カメラなどを捜査した結果、Aさんが下着泥棒の犯人である疑いが浮上しました。
窃盗罪と住居侵入罪の疑いで宮城県加美警察署から呼び出されて取調べを受けることになったAさんは、逮捕される可能性と示談して不起訴にできる可能性を刑事事件に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです。)
前回のコラムでは、下着泥棒をした場合に問題となる犯罪は窃盗罪と住居侵入罪であること、下着泥棒事件の逮捕可能性について解説しました。
下着泥棒事件では、加害者が被害者の住居を覚えている可能性が高いことや余罪捜査をすることを理由に逮捕される可能性が十分に考えられる犯罪と言えます。
今回のコラムでは、逮捕や重い処罰のリスクを下げる方法について解説します。
~逮捕や重い処罰を避けるために~
逮捕されないようにするためには、在宅事件で捜査が進むことを目指して、例えば、①逃亡する可能性はない②不当な働きかけ等は行わないということを主張することが必要になります。
重い処罰を避けたいという場合は、刑事事件化の阻止や微罪処分・不起訴処分での終了、略式起訴による罰金といった軽い処罰での終了を目指すことが考えられます。
事例では、Aさんは、窃盗罪と住居侵入罪の疑いで宮城県加美警察署から呼び出されて取調べを受けることになっているため、すでに刑事事件化はしてしまっています。
しかし、刑事事件化してしまっている場合でも、適切な弁護活動を行うことによって微罪処分や不起訴処分、略式起訴による罰金といった軽い処罰を目指すことができます。
下着泥棒事件は被害者がいる犯罪であるため、被害者との示談を弁護士に依頼することが考えられます。
刑事処分は、被害者の処罰感情も参考にして決定されます。
示談となれば,被害者に謝罪して示談金を払うこととなります。
謝罪と示談をすることによって,被害者の処罰感情が緩和されて軽い処分が得られる可能性が高まります。
他に、示談のメリットとしては、刑事処分に対する被害者の意見をもらえる点もあります。
「罪に問わない」と示談書に記載することを被害者が同意してくれる場合、親告罪でなくとも罪に問われないことがありえます。
示談を行うことができれば、微罪処分や不起訴処分、略式起訴による罰金に近づくことになります。
ただし、下着泥棒のような目的が性的なものである刑事事件の場合,多くの被害者は、加害者やその親族と会いたいとは思いません。
そのため,加害者やその親族が直接示談を行おうとしてもうまくいかない場合も多いです。
示談成立を目指す場合、示談交渉を弁護士に依頼することが重要です。
示談以外に弁護士が行える活動として、犯行の前後の行動や状況を検討し,刑事処分に影響を与えそうな事情を主張することが考えられます。
今回の事例の場合、Aさんが酒に酔って気が大きくなっていたことを反省して、今後お酒を自制すると誓約する等を主張していくことが考えられます。
また、一般の窃盗が単なる財産犯であるのに対して、下着泥棒事件の場合は性犯罪としての性質も有しています。
そこで、再犯防止のため、病院やカウンセリングに通う等も考えられます。
下着泥棒事件等でお困りの場合は、刑事事件専門で多数の示談交渉を手掛ける弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
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