【事例解説】万引き後に脅迫を行ったことで事後強盗罪になったケース、執行猶予を獲得するための条件

【事例解説】万引き後に脅迫を行ったことで事後強盗罪になったケース、執行猶予を獲得するための条件

事後強盗と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県多賀城市に住んでいる大学生のAさんは、近所のコンビニに来ていました。
そこでAさんはお弁当やおにぎりなどをバッグに入れ、そのままコンビニの外に出ようとしました。
しかし、Aさんが万引きしているところを他のお客が見ており、店員に「あの人万引きしました」と告げられました。
そこで店員がAさんを止めようとすると、懐からナイフを出して「近づくな、刺すぞ」と脅し、そのまま逃走しました。
後日、店員が事件を警察に通報し、塩釜警察署の捜査でAさんの身元は特定されました。
しばらくして、Aさんは事後強盗罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗と事後強盗

参考事件のAさんは万引きをしているので、窃盗罪でないことに疑問を持つ方もいるかもしれません。
窃盗罪刑法に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められており、万引きにはこの条文が適用されます。
しかし、今回Aさんには事後強盗罪が適用されました。
これはAさんが、万引き後にとった行動に理由があります。
刑法第238条には、「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。」とあり、これが事後強盗罪の条文です。
窃取した財物の奪還阻止の目的や、逮捕免脱、罪証隠滅を目的に暴行や脅迫を行うと、万引きであっても事後強盗罪が適用されます。
この場合の暴行、脅迫は、被害者などの相手方が反抗を抑圧されるに足りる程度の強度である必要があります。
Aさんの場合、ナイフを出した上で「刺すぞ」と脅しています。
凶器を出した上での脅迫は、反抗を抑圧するに足りる強度があると判断されるため、窃盗である万引きを行った後、ナイフを出して脅迫し、逃走したAさんには、事後強盗罪が成立することになります。
強盗罪の刑罰は「5年以上の有期懲役」となっており、事後強盗罪は「強盗として論ずる。」とあります。
そのため事後強盗罪の刑罰も「5年以上の有期懲役」ということになります。

執行猶予

執行猶予とは、刑の執行を一定期間猶予し、その期間に犯罪などで事件を起こさなければ刑の執行を免除できる制度です。
この執行猶予を取り付けるには条件があり、刑法第25条にはその条件の1つとして、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡し」が定められています。
そのため、「5年以上の有期懲役」のみが刑罰である事後強盗罪は、執行猶予を取り付けることができません。
しかし、減刑によって刑罰を3年以下にすることができれば、強盗事件であっても執行猶予の獲得が視野に入ります。
強盗事件で減刑を求める際に効果的なのは、被害者と示談を締結することです。
示談交渉の中で、被害者が寛大な処分を求めるなどの条項を認めてくれれば、執行猶予獲得に繋がりやすくなります。
参考事件であればコンビニと示談交渉を進めることになりますが、会社など法人が相手の示談交渉は、弁護士がいなければ断られてしまうケースも多いです。
そのため強盗事件などで執行猶予を獲得したい、会社に対して示談交渉を行いたいといった時は、弁護士に相談し、弁護活動を依頼しましょう。

強盗事件の弁護活動に強い法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件(少年事件含む)を中心に取り扱っている法律事務所です。
初回であれば無料法律相談逮捕された方のもとへ弁護士が直接面会に向かう初回接見サービスなどを、当事務所ではご予約いただけます。
フリーダイヤル「0120-631-881」にてご予約いただけ、平日はもちろん土、日、祝日も24時間体制でお電話を承ります。
強盗事件の当事者となってしまった、事後強盗罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった時は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

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