受験生が大麻所持1

受験生が大麻所持1

受験を間近に控えた高校3年生A君(18歳、宮城県塩釜市在住)は、大麻取締法違反(所持)で宮城県塩釜警察署に現行犯逮捕されました。
夜遅くに塾から帰宅途中のA君に対して、宮城県塩釜警察署の警察官が職務質問と所持品検査をした際、A君が乾燥大麻入りのポリ袋を所持していたことが判明しました。
A君の両親は,A君の釈放に向けて少年事件と薬物事件に詳しい弁護士に依頼しました。
(フィクションです)

~若年層と大麻~

大麻は同じ違法薬物の中では、覚せい剤ほど依存性はないと言われているものの,多数の違法薬物の入口となっていると言われています。
大麻は、大麻自体による危険だけでなく、違法薬物に対する抵抗感をなくすという意味でも大変危険な薬物と言えるでしょう。
A君はまだ高校3年生ですが、乾燥大麻を所持していたとして、大麻取締法違反(所持)で現行犯逮捕されています。

未成年のお子様(以下、「少年」)を持つご両親にとって、自分の子供が大麻所持で逮捕されるというのは、非常にショッキングなことでしょう。
しかし、実は、少年と薬物、特に大麻に関しては、決して縁遠いといえるものではないのです。

厚生労働省のサイトの「大麻を巡る現状」というページによると、大麻事犯の検挙人員に占める10代・20代の割合は4割強を占め、覚醒剤等の他の薬物に比べて、若年層の比率が高いことが特徴とされています。
平成29年の大麻事犯は、特に若年層を中心とした増加が顕著でした(警察庁平成30年4月12日発表「平成29年における組織犯罪の情勢」)。
学生に限ってみると、平成29年において、中学生が前年と同数の2人、高校生が前年比21人増の53人、大学生が前年比15人増の55人が大麻事犯で検挙されています。

初めて大麻を使用した年齢の調査によっても、若年で大麻に手を出してしまう人が意外に多いことがみてとれます。
警察庁が平成29年10月1日から11月30日までの間に大麻取締法違反で検挙された535人を対象に実施した大麻乱用者の実態に関する調査結果によると、対象者が大麻を初めて使用した年齢は、「20歳未満」が195人(36.4%)、「20歳代」が211人(39.4%)、30歳代が45人(8.4%)、40歳代が12人(2.2%)であり、平均年齢は21.9歳、最年少はなんと12歳(3人)でした。

少年が大麻などに手を染めてしまうケースの多くは,周りの人間の誘いを断れなかった,薬物の危険性に対する誤った認識からタバコを吸う感覚で薬物を使用してしまったというケースが多いと言われています。
同調査では、大麻を初めて使用した経緯についても調べています。
「誘われて」341人(63.7%)が、「自分から求めて」121人(22.6%)を上回っており、初めて使用した年齢が若いほど、誘われて使用する比率が高いという調査結果だったそうです。
大麻を始めて使用した時の動機については、「好奇心・興味本位」が54.9%を占めていますが、20歳未満および20歳代は「その場の雰囲気」と回答した者が10%台もいました。
このことから、警察庁は若年層の大麻利用について「周囲に影響される傾向にある」と分析しています。

~大麻事件の逮捕勾留、少年鑑別所~

大麻などの薬物事案では、一般に、逮捕,勾留される可能性が極めて高く、少年であっても成人とあまり変わりありません。
少年が周囲の誘いを断り切れなかった、さほど罪の意識を持たずに興味本位で使用してしまったというケースであっても、残念ながら、逮捕・勾留される可能性が高いです。
そして、少年鑑別所に収容される可能性も高くなります。

事例のA君は、受験を間近に控えた受験生です。
ご両親としては、何とかA君を早期に釈放してもらって受験できるようにしたいと考えると思います。
釈放を求める場合、A君が手続きのどの段階であるかによって、弁護士がおこなう活動が異なってきます。
次回は、段階に応じてどのような活動があるかについてお話していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・薬物事件どちらの取り扱いもある刑事事件専門の法律事務所です。
24時間365日休まず、無料法律相談と初回接見サービスをお受付しております。
大麻所持少年事件逮捕されてお困りの場合は、お気軽にフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
(宮城県塩釜警察署への初回接見費用:38,800円)

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