横領がバレてしまった【着服・業務上横領】
横領が発覚し、警察の捜査を受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【参考事例】
山形大学職員が横領・学友会費や後援会費など約530万円 ギャンブルに使う・14日付けで懲戒解雇
YAHOO!ニュース(さくらんぼテレビ提供)
この事件はタイトルにもある通り、大学職員が、自ら管理していた学友会費や後援会費など約530万円を私的に使い込んだというものです。
パソコンやプリンタを購入したように見せかけたり、課外活動行事の経費を水増したりといった方法を用いていたとのことです。
この事件は国立大学という公的な機関でのものですが、一般企業においても自ら管理していた金銭や商品を横領してしまうという事案はよくあり、弊所にも相談いただくことがございます。
このように仕事上、自ら管理していた金銭や物を使い込んだ場合には、業務上横領罪が成立することになるでしょう。
刑法第253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
業務上横領罪には罰金刑が規定されていません。
したがって裁判になれば、執行猶予を狙っていくことになります。
~前科を免れるには~
横領が発覚してしまった場合、職場を退職するのを免れるのは難しい他、今後どのような刑事処分を受けるのかという心配もあると思います。
就職活動もしなければならないので、できるだけ軽い結果になってくれればと思うのが正直なところだと思います。
横領が発覚した場合のパターンとして、会社側がいきなり警察に被害届を出すこともありますが、まずは本人に返還を要求し、返還してくれれば警察沙汰にはしないということもあります。
警察への対応で手間を取られるので、横領分が返還されて損害が補填されるのであれば、本人を退職させるだけで済ませたいということです。
このような場合には、返還する資力があるのであれば、すみやかに返還すべきです。
警察に被害届が出されなければ、警察が捜査して前科が付くに至ることもありえないからです。
一方、被害届がすでに出されるなど警察がすでに関与している場合であっても、その後に横領分を返還すれば、被害届を取り下げてくれる可能性があります。
そうなれば、①警察が捜査を終了させたり、②最終的に被疑者を裁判にかけるか否か(起訴するか否か)を判断する検察官が不起訴処分をする可能性が高まります。
①②どちらも裁判が開かれずに終わることになりますので、刑罰も受けず、前科も付かずに済むということになります。
一方、すでに横領したお金を使い込んでいるなどにより返還する資金がない場合には、少なくとも執行猶予となり前科が付くことは覚悟しておく必要があります。
全額とは言わないまでも少しでも多く返還したり、分割払いを了承いただくなどし、少しでも有利な事情を整えて、処分・判決を軽くすることを目指していくことになります。
~弁護士にご相談ください~
このように会社との交渉を行ったり、警察官や検察官の取調べに対応したりなど、ご本人のみで行うには荷が重い部分があるでしょう。
実際に弁護士に依頼するかどうかは別としても、一度弁護士のアドバイスを受けておくことは有益ですので、ぜひご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は刑事事件・少年事件を専門とする事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
また、仮に逮捕されている事件では、初回接見サービスをご利用ください。
ご本人、ご家族、被害者の方々が納得できる解決に向けてサポートしてまいりますので、ご連絡をお待ちしております。