【事例解説】殴って怪我をさせ、知人のサイフを奪う強盗致傷事件。重い罪の際に開かれる裁判員裁判とは

【事例解説】殴って怪我をさせ、知人のサイフを奪う強盗致傷事件。重い罪の際に開かれる裁判員裁判とは

強盗致傷事件と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県亘理郡に住んでいる会社員のAさんは、知人であるVさんを呼び出していました。
AさんはVさんに「金に困っている。」と言って、現金を借りられないかと相談しました。
Vさんは「こっちも余裕がない。」と断ってその場を去ろうとしましたが、後ろからAさんに殴られ倒れ込みました。
そしてAさんは5万円ほど入ったVさんのサイフを奪って逃走しました。
全治1週間の怪我を負ったAさんは警察に「財布を盗られた」と相談しました。
その後、Aさんは強盗致傷罪の疑いで亘理警察署に逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

強盗致傷事件

強盗致傷罪は、強盗罪とは別に刑法の条文があります。
まず、強盗罪刑法第236条第1項に「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。」、続く第2項には「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と定められています。
この場合の暴行または脅迫は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度の強度を持っている必要があります。
例えば、ただ脅迫して金品を要求するだけでは強盗罪になりません(恐喝罪にはなります)が、脅迫の際に刃物などの凶器を見せれば反抗を抑圧する強度があるため強盗罪となります。
AさんはVさんを後ろから殴ってサイフを奪っているため、これだけでも強盗罪にはなります。
そして、刑法第240条は「強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。」と定めています。
そのため、Aさんの強盗によってVさんが全治1週間の怪我を負った参考事件は、この条文が適用され強盗致傷罪が成立しました。
また、条文の「人を負傷させた時」には故意の有無も重要になります。
暴力は振るったが怪我をさせる気はなかった(故意はなかった)という強盗事件の場合は強盗致傷罪になりますが、怪我をさせる故意があったと判断されると強盗傷人罪という罪名になります。
適用される条文は変わりませんが、その場合は刑罰もより重いものになってしまいます。

裁判員裁判

強盗致傷罪は「無期又は6年以上の懲役」が刑罰となっています。
無期の懲役」が定められた罪で裁判が開かれる場合、裁判員裁判の形式となります。
裁判員裁判とは、国内から一般の方々が無作為に選出され、裁判に裁判員として参加する制度の裁判です。
この裁判員裁判は、公判の前に裁判官と検察官、そして弁護士が集まり、事前に事件の争点をわかりやすくする公判前整理手続をとったり、弁護士が裁判員の選出に立ち会って不公平な裁判を行うような方を選出から除外したりと、通常の裁判とは違った手続きが多くなります。
そのため裁判員裁判となる事件を起こしてしまった際は、刑事事件だけでなく裁判員制度にも詳しい弁護士に弁護活動を依頼する必要があります。

裁判員裁判の際はご連絡ください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では初回であれば無料の法律相談逮捕・勾留された方のもとへ直接弁護士が伺う初回接見サービスをご予約いただけます。
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