アクセルとブレーキを踏み間違えて事故

アクセルとブレーキを踏み間違えて事故

宮城県涌谷町に住む80歳のAさん。
買い物などに出かけるときに、自動車の運転をしています。
ある日、自動車で大型ショッピングセンターに出かけ、駐車場に車を止めようとしたところ、アクセルとブレーキを踏み間違えて急加速。
歩いていた買い物客を跳ねてしまい、骨折の重傷を負わせてしまいました。
Aさんはどのような罪に問われるのでしょうか。
(フィクションです)

~自動車運転処罰法違反~

高齢ドライバーによる事故が多く報道されています。
今回の事例のAさんも80歳という設定ではありますが、若いドライバーであっても踏み間違いは起きますので、注意が必要です。

さて、アクセルとブレーキの踏み間違いにより人を死傷させた場合、自動車運転処罰法過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

元々は自動車事故の場合、刑法の業務上過失致死傷罪で処罰されていましたが、世論の流れを受け、独立した法律が制定されました。
法定刑も業務上過失致死傷罪は5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金ですが、自動車運転過失致死傷罪は7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金となっており、重罰化されているといえます。

一方、事故の内容も様々ですので、被害者の傷害の程度が軽いときは、刑を免除することが出来るとされています。
ただ、実際に刑の免除になったケースは少ないようですし、Aさんのケースでは被害者が骨折の重傷を負っているので、刑の免除はされないと思われます。

なお、飲酒運転や意図した暴走行為によって事故を起こし、人を死傷させた場合は、より重い危険運転致死傷罪(2条・3条参照)が成立する可能性があります。

~どの程度の刑罰を受ける?~

条文上は、一番重くて7年の懲役・禁錮一番軽くて罰金(下限1万円)までが科される可能性があります。
この範囲内でどの程度の重さの判決にするか決める際には、事故の直接の原因、日頃の運転の様子(加齢により事故を起こすことが予想されていたかなど)、過去に事故を起こしていたか、被害者の傷害の程度、事故後の運転者の反省態度、被害弁償や示談締結がされたか等々、様々な事情を考慮して決められます。

Aさんのケースでは被害者が死亡していないことなどから、数十万円程度の罰金刑にとどまる可能性も考えられます。

~刑事手続きの流れ~

制度上は、逮捕・勾留により最大23日間の身体拘束がされ、その後に刑事裁判がスタートし、裁判中も保釈が認められない限り身体拘束が続くという可能性があります。

ただ、自動車運転過失致死傷罪はわざと行った犯罪ではなく、一般的には逃亡や証拠隠滅の可能性も低く、罰金刑で終わることも多いことから、逮捕されずに手続が進むことも十分考えられます。

その場合、警察署や検察庁に自宅から出向いて取調べを受け、裁判も自宅から裁判所に行き受けるという流れになります。
また裁判手続きは、事実を認めていれば略式裁判という簡易な手続により、1日で罰金刑の命令を受けて終わる可能性もあります。

~弁護士に相談を~

事故を起こしてけがをさせてしまった場合、どのような犯罪が成立し、その程度の刑罰を受けるのか、どのような手続が進んでいくのか等々、不安が大きいと思います。
また、被害者と示談が成立しているかどうかは、刑事処分にも影響してきうるので重要ですが、被害者にはいくら賠償すればよいのか、示談締結はどのように行えばよいのか等々、わからないことが多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
上記のような不安点に対する見通しをお答えいたします。

また、正式にご依頼いただいた際には、示談交渉を行ったり、検察官に働きかけるなどして軽い処分で終わるよう弁護活動を致します。

自動車事故を起こしてしまったら、ぜひ一度ご相談ください。

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