売春相手を探して逮捕

売春相手を探して逮捕

路上で通行人に対し、売春の相手にならないか声をかけた女性が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。

【事例】
女性Aさんは宮城県仙台市内において、売春相手を探すため、通行人の男性に声をかける行為を繰り返していました。
ある日Aさんは、違法な風俗店の取り締まりなどの目的で私服で警戒に当たっていた仙台中央警察署の警察官に対し、売春の相手になるよう声をかけてしまいました。
Aさんはその場で現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~売春防止法違反~

路上で売春の相手を探している、いわゆる「立ちんぼ」に声をかけられたことのある男性は多くいらっしゃると思います。

売春買春は売春防止法で禁止された行為ですが、罰則はありません。
しかし、路上で売春の相手となるよう声をかけるなどの行為には罰則が定められています。

売春防止法第5条
売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
1号 公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。
2号 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
3号 公衆の目にふれるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。

1号は勧誘行為を、2号は立ちふさがったり付きまとったりする行為を、3号は客待ちをすることなどを禁止しています。
3号によれば、通行人に声をかける前であっても、売春相手を探す目的で路上などに立っているだけで、罰則の対象となってしまうことになります。

売買春自体に処罰規定を置かず、勧誘行為などに処罰規定を置いているのは不思議な感じもしますが、繁華街の雰囲気を健全に保つといった意味合いもあるのかもしれません。

※ 売春しているのが20歳未満の場合には、その子は補導されて家庭裁判所の審判に付される可能性があります。
また、売春しているのが18歳未満の場合には、売春の相手方は青少年健全育成条例違反で処罰される可能性があります。宮城県では2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

~刑事事件の手続~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

弁護士としては、勾留を防いで早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を提出するなどの弁護活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。

勾留された場合はその期間の最後に、勾留されなかった場合は捜査が終わり次第、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

このうち起訴には①正式起訴②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決や執行猶予判決、罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。

さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。

~弁護士にご相談ください~

あなたやご家族が突然逮捕されたり、取調べを受けたといった場合、今後どうなってしまうのかわからずに不安だと思います。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

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