ロッカーから現金盗み逮捕
会社のロッカーから、同僚のお金を盗んだ場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県仙台市に住むAさん。
勤務先の更衣室のロッカーに入っていた同僚の財布から、現金を抜き取るという行為を何度か行いました。
お金が減っているという被害の申し出が相次いだことから、会社は警察に相談。
防犯カメラの映像を調べるなどの捜査が行われる予定です。
警察が介入したことから、
「逮捕されるのではないか」
「自首したほうが良いのではないか」
と思い悩んだAさん。
弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~窃盗罪が成立~
勤務先のロッカーから現金を盗んだAさん。
窃盗罪が成立することになります。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
住居や店舗に侵入して大金を盗んだといった悪質な犯行を繰り返している場合などにも対応できるよう、最高で10年の懲役と規定されています。
ロッカーで何度か現金を盗んだという場合、よほど前科がある場合を除き、懲役で刑務所行きになる可能性は低いでしょうが、決して軽い罪ではないということになります。
~詐欺罪などに問われることも~
冒頭の事例は現金を盗んだという事例でしたが、たとえばクレジットカードを盗んで利用した場合には、窃盗罪の他に、詐欺罪が成立することになります。
刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
具体的には、買い物している本人のカードであると騙して、店員から商品を受取ったことから、詐欺罪に問われるということになります。
詐欺罪も10年以下の懲役という重いものです。
窃盗罪と合わせた場合、単純に2つ合わせて20年以下の懲役とはならず、最高で15年以下の懲役という形になるのですが、窃盗だけの場合よりも重い判決がされることが予想されます。
なお、ネットショップなど対面ではない形で他人のカードを利用した場合には、電子計算機使用詐欺罪という犯罪が成立することになりますが、刑罰は通常の詐欺罪と同じく、10年以下の懲役です。
~正直に話すべきか~
冒頭の事例では、犯人が判明していない段階です。
それでも、防犯カメラ映像の検証や、会社関係者への聞き込み、指紋の採取などの捜査により、Aさんの犯行が発覚するのは時間の問題でしょう。
であれば、こちらから警察に申し出るのが得策です。
最終的な判決など軽くなる可能性が上がることになります。
また、警察に申し出たら逮捕されるのでは、と心配だと思います。
もちろん、逮捕されるかどうかは被害金額や前科の有無などにもよりますが、こちらから申し出ないままAさんの犯行が発覚した場合と比べて、逮捕される可能性は下がります。
自ら申し出たのであれば、再犯や逃亡、証拠隠滅のおそれが低く、謝罪や弁償がなされる可能性も高く、悪質性が低いと判断されて、逮捕されない可能性も出てくるのです。
逮捕されない場合には、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて裁判を受ける「在宅事件」として扱われます。
~事前に弁護士にご相談を~
とはいえ、逮捕されてしまうのではないかという心配は消えないと思います。
たしかに、申し出の方法によっては、真実をちゃんと話していないという不信感を警察官に与えてしまい、結局逮捕されるという可能性も否定できません。
そこで、事前に一度、弁護士にご相談いただければと思います。
たとえば、警察官に自分のしたことを漏れなく正確に伝え、さっそく被害者に弁償する用意があることを示すなど、出来る限り不信感を与えずに申し出る方法をアドバイス致します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。