未成年者略取罪で起訴 執行猶予を獲得するには

未成年者略取罪で起訴された方が執行猶予を獲得するにはどうすればよいかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

仙台市内で一人暮らしをしているAさんは、SNSで知り合った自称15歳の家出少女から「お金がなくて寝る場所もない」と言われたのをきっかけに、この少女を自宅に泊めて上げました。
そうしたところ翌日、宮城県警の捜査員が自宅を訪ねてきて少女を保護すると共に、Aさんは、未成年者略取の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
そして10日間の勾留を経て起訴されたAさんは、執行猶予の獲得を希望しています。
(フィクションです)

逮捕から起訴まで

刑事事件で被疑者(犯人)として警察で取調べを受けると、事件は検察庁に送致されます。そこで検察官が、被疑者(犯人)を起訴するか否かを決定するのですが、もし起訴されなかった場合は不起訴といい、刑事裁判は開かれません。
起訴された場合は、刑事裁判によって処分が決定しますが、罰金刑の場合は裁判が開かれない事もあります。(略式起訴)

日本の刑事裁判の有罪率は99.9パーセントとよく言われますが、これは「疑わしきは罰せず。」という刑事裁判における原則が、すでに裁判を提起(起訴)するか否かの時点で採用されている事が分かります。
つまり、裁判を提起(起訴)する検察官は、100パーセント有罪である、つまり被告人が絶対に犯人であるという確証がなければ、なかなか起訴しないという事です。
こうして起訴された場合に開かれる刑事裁判は、主に量刑が争点となる裁判がほとんどで、有罪か無罪かを争う裁判は、刑事裁判全体の1割にも満たないと言われています。
量刑とは被告人に課せられる罰則の事で、その範囲は、法律で定められた範囲内で決定します。

執行猶予を獲得するには

今回Aさんが起訴されている罪名は、未成年者略取罪です。
未成年者略取罪には罰金の規定がないので略式起訴による罰金刑となることはありません。
ですから起訴されて有罪の場合は、執行猶予を得ることでしか服役を免れることはできません。
執行猶予を得ることができれば、「懲役〇年」と判決が出ても、すぐに刑務所に服役する事はなく、執行猶予期間中に何もなければ服役を免れることができるのです。
執行猶予とは、有罪の判決でも、情状によって一定期間だけ刑の執行を猶予し、その間を事故なく過ごせば刑の言渡しの効力を失わせる制度のことです。

執行猶予が付くのは
①初犯であること
②特に重罪ではないこと
③十分に反省していること

等と条件がありますが、これは絶対的なものではありません。
重要なのは刑事裁判において、いかに裁判官の心証をよくするかです。

刑事裁判で執行猶予を希望される方は

刑事裁判でお悩みの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律仙台支部にご相談ください。
当事務所は刑事事件専門の弁護士事務所で、刑事裁判の経験豊富な弁護士が、刑事裁判においてお客様をサポートする事をお約束します。

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