お兄さんの保釈請求が通らない・・・そんな方からのご相談を参考に、保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
相談内容
覚醒剤の営利目的所持事件で起訴されている兄の保釈請求が通りません。
兄は、3ヶ月ほど前に覚醒剤取締法違反(使用・営利目的所持罪)で起訴されて、現在は、拘置所に起訴後勾留され、先日、1回目の裁判がありました。
一部容疑を否認しているため、今後も裁判が長引くようです。
現在、国選弁護人に兄の弁護活動を任せていますが、これまで2回、保釈請求を却下されています。
私選に切り替えたら、保釈請求が通りますか?
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
保釈とは
保釈とは、起訴後勾留されている被告人を、一時的に釈放する制度です。
保釈は、基本的に、被告人の弁護人が裁判所に対して請求して、裁判官が審査して、保釈を認めるかどうかを判断します。
裁判官が保釈を認めると、その際に決定する保釈金を裁判所に納付すれば、その日のうちに、起訴後勾留されている被告人は釈放されます。
釈放の期間は、刑事裁判で判決が言い渡されるまでで、一審の場合、刑事裁判で実刑判決が言い渡されると、その場で、再び身体拘束を受けますが、控訴審の場合は、控訴審で実刑判決が言い渡されても、すぐにその場で身体拘束を受けることはなく、後日届く召喚状に従って出頭してから身体拘束を受けることになります。(控訴審の場合でも、判決の言い渡しと共に身体拘束を受ける場合もある。)
保釈金
保釈金とは、分かりやすく言うと、保釈後の刑事裁判を滞りなく進めるための担保のようなものです。
保釈金の額は、保釈を許可する裁判官が決定します。
通常であれば150万円~250万円くらいとなる事が多いようですが、場合によっては一千万円近い金額が設定されることもあります。
ちなみに保釈金を、自身で用意できない場合は、日本保釈支援協会を利用すれば保釈金を立て替えてくれたり、全国の弁護士協同組合連合会が行っている保釈保証書発行事業を利用することもできます。
保釈の判断基準
ところで、裁判官は何を考慮して保釈決定を判断しているのでしょうか。
ここではその一部を紹介します。
保釈決定に大きく影響する事情は
①起訴事実を認めているかどうか
②共犯者がいるかどうか
③身元引受人が存在するかどうか
等です。
①起訴事実を認めているかどうか
これは、保釈が認められるかどうかの大きな判断基準の一つです。
否認している事件は、罪証隠滅や、逃走のおそれがあると判断されがちですので保釈がなかなか認められない場合があります。
②共犯者がいるかどうか
共犯者がいる事件は、裁判が始まるまで共犯者同士が口裏を合わせるおそれがあるとして、保釈がなかなか認められない傾向にあります。
③身元引受人が存在するかどうか
保釈後に、被告人が逃走してしまえば、これから始まる刑事裁判に大きな影響が出るので、保釈中の被告人を監視する身元引受人が絶対的に必要になります。
身元引受人がいない場合は、ほぼ保釈は認められないと言っても過言ではありません。
保釈に強い弁護士
起訴後勾留されている方の保釈を希望する方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にご相談ください。
保釈は、判決が言い渡されるまでであれば何度でも申請することができます。
保釈が認められやすい環境をつくりあることで保釈が認められることもありますので、まずは、弁護士にご相談ください。