犯人をかくまって取調べ

犯人をかくまって取調べ

宮城県大衡村に住むAさん。
東京に出て行った高校時代の友人が突然Aさんの家に来ました。
Aさんが、
「久しぶりだな。どうしたんだ急に。」
と聞くと、
「実は人の家に盗みに入ってな。仲間が捕まったからヤバいと思って逃げてきたんだ」
と言いました。
昔から悪だった友人に呆れつつも、Aさんはしばらく友人を家にいさせることにしました。
しかし1週間ほどして友人がAさんの家にいることが警察に発覚し、友人は逮捕されました。
そしてAさん自身も犯人をかくまっていたとして取調べを受けました。
犯罪になると思っていなかったAさんは不安になり、弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです)

~犯人蔵匿罪~

犯罪をした友人を自宅にいさせたAさん。
犯人をかくまっていたとして、犯人蔵匿罪が成立する可能性があります。

刑法第103条
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

友人が犯したであろう窃盗罪(235条)や住居侵入罪(130条)は、刑罰として懲役と罰金が定められていますので、友人は「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」にあたります。

そして「蔵匿」とは、逮捕を免れるために場所を提供して犯人をかくまうことをいいます。
Aさんは、窃盗をして逮捕を免れるために逃げてきた友人を、Aの自宅という場所を提供してかくまっており、「蔵匿」にあたるでしょう。

したがってAさんの行為には犯人蔵匿罪が成立すると思われます。

~今後の刑事手続きの流れ~

①身体拘束される場合
一般に刑事事件では、被疑者が逮捕され、最大3日間の身体拘束がされる可能性があります。
そして、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間、身体拘束がされる可能性があります。

勾留期間が終わるまでに、検察官は、被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴するか)を判断します。
起訴しないとなれば、刑事裁判を受けることもなく、前科も付かずに事件が終了することになります。
起訴されると刑事裁判を受けることになりますが、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。

②身体拘束されない場合
一方、軽微な事件などでは、身体拘束されずに捜査が続く可能性もあります。
その場合は、明確な期間制限がないので、手続の流れがゆっくりになることが多いです。
警察官や検察官の求めに応じて、取調べを受けるために警察署や検察庁に行くということになります。
取調べ等の捜査が済んだ後、検察官が起訴・不起訴の判断をします。
起訴するという判断をすれば刑事裁判を受けることになりますが、裁判も自宅から裁判所に行って受けるという流れになるでしょう。

~不安点は弁護士に相談を~

Aさんのようなケースでどのような手続になるかはわかりませんが、窃盗自体には全くかかわっていないこと、一方で窃盗犯人とわかっていながらかくまったこと、Aさんが犯行を認め反省しているか、Aさんの前科の有無など様々な事情を考慮した上で、逮捕されるか、勾留請求されるか、起訴されるか、どのような刑罰を受けるかが決まることになります。

ご自身が犯人蔵匿罪を犯してしまった場合には、今後どのようになってしまうのか不安なことでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
また、すでに逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、身体拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。

その後、正式にご依頼いただければ、逮捕・勾留・起訴を避けられるよう、あるいは起訴されても罰金や執行猶予など軽い判決で済むよう、弁護活動を行います。

犯人蔵匿罪などで捜査を受けた方はぜひ一度ご相談ください。

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